7歳の七五三は、お子さんがぐっとお姉さんになる大切な日。

その美しい着物姿は、実はたくさんの「小物」によって支えられています。今回は、着崩れを防ぐ「着付け小物」と、見た目を華やかにする「装飾小物」の違いと役割を解説。それぞれの小物が持つ意味や役割を知って、後悔しない七五三の準備を進めましょう！

着物姿を美しく保つ！『着付小物』と『装飾小物』の違い

・『着付小物』とは？

七五三の着物姿を美しく、そしてお子さんが一日中快適に過ごせるように支えるのが着付け小物です。

これらは着物の内側に隠れてしまうことが多いですが、着崩れを防ぎ、着物姿をきれいに見せるために不可欠な「縁の下の力持ち」。

例えば、長襦袢や肌襦袢は着物を汗や汚れから守り、腰紐や伊達締めは着物を体にしっかりと固定します。

また、帯板や帯枕は帯の形を整え、美しいシルエットを保つのに役立ちます。（帯板や帯枕は、帯が事前に形作られている作り帯の場合は使用しないことがあります。）

これら着付け小物がきちんと機能することで、お子さんも安心して着物を楽しめるのです。

・『装飾小物』とは？

一方、着物姿に彩りを加え、お祝いの華やかさを演出するのが装飾小物です。

これらは着物の外側に見える部分で、着物姿の印象を大きく左右します。

代表的なものには、帯の上を飾る帯揚げや、帯の中心を引き締める帯締めがあります。

7歳の七五三では、帯の下にふんわりと飾る志古貴（しごき）や、胸元を飾る筥迫（はこせこ）、手に持つ扇子（せんす）なども、大人顔負けの装飾として使われます。

そして、顔周りを最も華やかに見せる髪飾りは、着物や帯の色柄に合わせて選ぶことで、お子さんの個性を際立たせ、かわいさや華やかさ、写真映えも格段にアップさせてくれます。

『装飾小物』の役割や意味を解説

・帯揚げ・帯締めとは

帯揚げは、帯の上部に見える、ふんわりとした布のことで、元々は、帯枕（帯の形を整える土台）を隠すための実用的な布でしたが、時代とともに胸元を華やかに彩る装飾品としての意味合いが強くなりました。

着物と帯の間に優しく色を添えることで、全体のコーディネートに統一感や奥行きを与えお子さんの着物姿をより華やかに見せてくれます。

帯締めは、帯の中央を締める紐です。その名の通り、帯が崩れないようにしっかりと固定するという実用的な役割が一番に挙げられます。しかし、それだけでなく、着物姿全体を引き締めるアクセントとしての役割も非常に大きいのが特徴です。房や飾りが付いたものも多く、可愛らしさや上品さをプラスし、七五三の晴れやかな装いを完成させてくれます。

・志古貴（しごき）とは

　七五三の7歳の着物姿で、帯の下に結ばれている志古貴（しごき）。この美しい飾りには、元々は大切な役割がありました。

志古貴は江戸時代から明治時代にかけて、女性が着物の裾が汚れないようにたくし上げたり、動きやすくするために使われていた実用的なアイテム。現代では、着物の裾をたくし上げることは少なくなり、次第に装飾として、特に7歳の七五三では、帯をより華やかに見せるための大切な小物となりました。

志古貴を身につけることで、お子さんの着物姿に可憐で上品な印象を与え、ぐっと華やかさが増します。

また、最近はさまざまな色や柄があり、コーディネートを楽しみ、写真映えするポイントにもなりますよ。

・筥迫（はこせこ）とは

筥迫（はこせこ）は、胸元に差し込む小さな箱型の装飾品のことです。

その由来は江戸時代にまで遡ります。当時の武家の女性たちが、懐紙（かいし）や鏡、口紅、お守りといった身だしなみや護身のための小物を入れて、着物の胸元（懐中）に忍ばせていた実用的な小物入れでした。

まさに、今でいう「お化粧ポーチ」のような役割を担っていたのです。

時代とともに帯の締め方や着付けの方法が変化し、現代では中に物を入れることはほとんどなくなり、胸元を彩る純粋な装飾品としての役割が大きくなりました。

しかし、その華やかな刺繍や房飾り、そしてビラ簪（かんざし）を差し込んで胸元を飾る姿は、お子さんの着物姿に格式と上品さを加え、特別な印象を与えてくれます。

その他の装飾小物もチェック！

・髪飾り

着物に合わせて色々な種類の飾りから選ぶ髪飾りは、顔周りを一番に引き立て、着物姿の印象を大きく左右します。

伝統的なつまみ細工から、モダンなリボン、生花まで、最近では金箔や水引など、お子さんの個性や着物の雰囲気に合わせて選ぶ楽しさをお伝えします。

・扇子と末広（すえひろ）

七五三の撮影で手に持つことが多い扇子（末広）は、縁起物としての意味合いも持ちます。名前の通り、末広がりに形が広がることから、未来へ向かってますます発展し、繁栄していくという願いが込められた大変縁起の良い品とされています

格式高い着物姿に、さりげない上品さと、お子さんの健やかな未来への願いををプラスしてくれる、大切なアイテムです。

・草履とバック

着物姿には欠かせない草履と、小さな持ち物を入れるためのバッグ（巾着）。着物や帯とコーディネートすることで、より洗練された印象になります。足元までコーディネートしておしゃれにすることで、七五三の晴れ姿が完璧に仕上がりますよ。

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まとめ

七五三の着物姿は、お子さんの成長を祝う特別な一枚です。

見えない「着付け小物」が美しさと快適さを支え、華やかな「装飾小物」が着物姿を彩ります。

ぜひ、これらの知識を活かして、家族みんなにとって最高の七五三を迎えましょう！